とある事務方の備忘録

いち事務方の「私はこう考える」ブログ

You cannot see the wood for the trees.

魔の手が迫る…と書くとふざけているようにも見えますが、身近な所で感染疑いの者が出て、緊張感が高まる日でした。

代わってはあげられません…むしろ、ミイラ取りがミイラになる話。微力ながら、ただただ回復を祈るばかりです。

 

さて、多々話題がある中で、どうしてもひとつ声を上げておきたいのは…

コロナショック(コロナ禍)で何かと「無駄な出費をなくせ!」方向のご意見をお聞きすると必ず出てくるのが、「待遇が安定している、公務員の給料を下げるべき」というお話です。

※巷では「コロナ禍」表記をよく見かけますが、発音しづらい+可愛い系の某局アナの名前とダブるので、以後、当ブログでは「コロナショック」といたします。

 

「公務員」とくくっても、その業務や能力に濃淡は必ずありますが…

従来の霞ヶ関の友人・知人の能力や残業時間、また今後も引き続きコロナショックの中、感染防御しつつ多大な事務を捌いてもらうことに鑑みれば、「公務員の給料は上げるべき」が私の考えです。

 

さて、「議員歳費を2割削る」という歳費法改正案の話が出ているのは周知の通りです。

よく分かってない芸能人が文通費や期末手当を理由に「ケチ臭いなあ」「俺は全額返上だ」とか言っているのはさておき…

 

確か私の理解が正しければ、歳費法は35条に「議員は、一般職の国家公務員の最高の給与額より少なくない歳費を受ける」とリンク規定があるので、

議員歳費を2割カットした場合、事務次官の給与額のカット→連鎖して国家公務員は一斉給料引き下げになるのではないか、と懸念しています。

※一般職の国家公務員の最高の給与額=事務次官の給与、と理解して可のはず。

 

もうお偉い方々が合意したと聞いていますし、事務方風情が口を挟むのはなんですが…正直、芸能人様とは違った意味でハァ?と思っています。

リンク規定があるのだから、「歳費を減らす」一辺倒ではなく「議員が自発的に一部歳費を寄付できる積立基金を作る+その為に寄付の特例とかの所要の法改正を行う」と、知恵の出し方はあったのでは?

 

「身を切る」パフォーマンスが何故か美徳にされてしまっている位、「分かりやすい話を好む」世の中になっているのは、我々も要反省ですが…

公務員の待遇を下げる→人材の質が下がる→お察しのトラブル発生…というご説明では、待遇向上にはご理解得られないかな?と思うばかりです。

 

公務員も、研修医や看護婦も、やらかしてOKな身分とは言いません。

ただ…一部を見て全体、他の方々まで一括りにするのは、木を見て森を見ずの議論では?と、だけ。

 

最後にもうひとつ、リンクの話を書くと…民間企業でも「公務員の給料に準ずる/連動する」職場も割とあったりします。

こうした所に勤める方々の給料にも影響する可能性までちゃんと考えたのかな?と。はてさて…