とある事務方の備忘録

いち事務方の「私はこう考える」ブログ

Hike and Tanker

いよいよ明日は南北首脳会談というビッグニュースもございますが、あまりに政治ネタや時事ネタが濃いのも宜しくないと思い、回避させていただきます。色々思うところはありますが。

 

義務教育を受けた方なら「自由律俳句は本当に俳句なのか」という命題にぶつかったかもしれません。

「足の裏洗えば白くなる」「咳をしても一人」「雨降るふるさとは裸足で歩く」…ある種芸術的なアクの強さもあり、単純で誰でも書けそうな感じもあります。

 

否定派だらけの中、先日俳句詠みの方の面白いご意見を拝見しました。

この方のご意見はリズム、つまり「あしのうら/あらえば/しろくなる」「せきを/しても/ひとり」などと一定のリズムもあり、全く秩序のないものではないとのこと。

なるほど。プロは面白い所に注目するなあと。

 

私も(一時は意味不明と嫌っていた身ですが)今となってはこのクセになるアクの強さが好きだったりします。

所謂ピカソモンドリアンなどの画家も、初めは一般人にも分かる綺麗な絵を描きながら(型に従いながらも)、やがて難解な絵に行き着くようなものかなと。

種田山頭火、尾崎放哉らをピカソと同列に扱うのは無理があるかもしれませんが、型を破る例としてご容赦ください。

 

俳句の話題をしているとついつい話したくなるのが短歌のネタ。

江戸時代の先人、太田南畝さんという方が開発した「どんな上の句(575)にもマッチする下の句(77)」が気に入っています。

 

「それにつけても 金の欲しさよ」

 

世俗感というか煩悩剥き出しではありますが、現代はおろか、今後仮に電子「マネー」に移行しても成立する、素晴らしい下の句です。

上で自然を詠もうが、文化を詠もうが成立する万能具合。誰でも思いつきそうで「くっ、先を越された!」と思わせる内容に敬服するばかりです。

 

この下の句を見る度に共感はしつつも、やはり他に感じるものです。

私もお金より大事なもの、あらゆる手段で報いたい大切な方々がいる…それらが辛くとも働く原動力だなと。

なかなか堪えることもありますが、引き続き前を向いて直向きに頑張りましょうか。

 

今現在に不安や緊張があるからこその、俳句と短歌のちょっとしたお話でした。

いやいや、プレバトではないですが日本人として、死ぬまでに一度は技ありの句を詠んでみたいものです。