とある事務方の備忘録

いち事務方の「私はこう考える」ブログ

JASRAC 部外者はこう思う

仕事関係や個人的な趣味から、昨年から注目していたJASRAC vs 音楽教室のバトルに進展があったようです。

 

音楽教室の「レッスン演奏」からもJASRACが使用料を徴収する方針を決め、反発する音楽教室と裁判の最中、

音楽教室側が裁判と並行して求めていた、著作権等管理事業法に基づく、文化庁による徴収保留の裁定の件で、

文化審議会JASRAC側に徴収を認めるという答申をまとめ、これを受け文化庁長官が徴収に関する裁定をするそうです。

 

当然、裁判=司法の判断とは別であり、同答申には係争中の音楽教室は除くべきというという内容もあるそうですが、総じて流れが圧倒的にJASRAC有利に変わったのでは、と思います。

 

感情的には、「レッスン演奏」まで徴収しても良いのか悩むところですが…たしかカルチャーセンターの演奏などは既に徴収しており、元から存在するアンバランスを直しただけという見解もあります。

正直、私個人としては、音楽教室側が連合を組んでも、判例などからやはりこの裁判、JASRACが勝つのではないか、と見ていました。

 

 

裁定さておき、JASRACに反対する方の言い分も分かりますし、配分漏れというのも断じて有り得ない話です。

しかし、JASRAC解体というのは言い過ぎな気がします。自分の曲の著作権管理を全部自分でやる、個々の利用者と使用料でぶつかっていくのは、殆どの方には無理でしょう。

不勉強故に日記を書くに当たり色々「JASRAC」で検索させていただきましたが、ちゃんと恩恵を受けている作曲家の方もいらっしゃって、過熱する批判から擁護するブログも拝見しました。

 

各演奏会ごとに「もし使用料がかかる曲を使っていたら、申告して下さい」と演奏者に手紙を送ったり、或いは電話したりするのは、事務方の感覚としてはあり得ないことではありません。

ご批判にある通り、手当たり次第感は否めませんが、取り逃がしがあっては真面目に払っている方がバカを見てしまう…致し方ない面はあるのです。

 

ただ、手段は是だとしても、JASRACには反省すべき点が多々あると思います。「がらく」の件もそうなのですが、徴収担当の態度が酷過ぎる…いくらなんでも、徴収時の悪評が多すぎるのです。流石に全てが中傷目的のデマということはないでしょう。

※「がらく」・・・雅楽の演奏会から徴収をしようとしたが、雅楽は数百年前の曲であると奏者に反論され、更に「がらく」と徴収担当者が誤読していたのをバラされた件。

 

これはNHKの方々にも言えますが…お金を徴収する業務は、どうも相手を「不逞の輩」という見方を初っ端からしてしまうのか、この手の悪評が耐えません。

踏み倒している不逞の輩に対しては(ある種)正しい対応ですし、膨大な案件を抱えていることには同情をします…が、その他一般人からやはり不適切な対応です。

 

私も以前住んでいたアパートで毎月家賃を払っていたのですが、お呼びでない家賃保証会社(全○連さん)に謎の高圧的なお電話をいただきました。

スタンフォードの監獄実験という話を思い出しましたが、徴収権を得た方はどうも特権的な意識を勘違いして持ってしまうのかもしれません。

 

 

そんな惨状にも関わらず、我が母校の某教授(JASRAC理事)が乱暴なツイートを繰り返して反対派を煽ったり、或いは幹部が「カ◯ラック呼ばわりする奴は議論の相手にしない!」と言い切ったり…

過熱する批判に対して向きになるのは人の性とはいえ、我が身を反省する気はあるのか?と疑ってしまいます。全くないというなら、いくら悲しんでもカ◯ラックの汚名は残念ながら消えないでしょう。

 

いま一度、「傲慢さ」を改めて低姿勢で、徴収と著作権管理についての正しい理解を国民に、そして作詞家・作曲家・利用者に求める存在であってほしい、そう思います。